極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

帰宅して、さっそく夕食作りにとりかかる。

彬良くんはちょっとすまなそうに「仕事してる」とパソコンがある自室にこもっている。
そうしてくれたほうが、わたしも料理に集中できるからありがたいのだけど。あらためて、彬良くんの多忙さを感じる。
少しでもそんな彼の助けになれればいいけど。

夕食のメインのおかずは、もちろん彬良くんのリクエストのツナのコロッケ。添えるキャベツは千切りじゃなくて、ひと手間かけておかかと梅であえた。
それと、漬け汁に漬けた豚の三枚肉に片栗粉をまぶしてパリッと揚げ焼きにして、春菊を合わせたおかずサラダ。汁物はなめこのお味噌汁、と。

おしゃれさも豪華さもないけど、食べあきない “うちの夕ご飯” だ。

「ご飯できたよー」
とドア越しに声をかけると「はーい」と返ってきて、すぐ彬良くんがリビングに姿をみせる。

テーブルに目をやって、顔をほころばせる。
「すごくうまそうな匂いがしてくるからさ、お腹すいちゃったよ」

熱いうちに食べよう、とすぐに腰を下ろす。

彼の言葉、彼の仕草、それだけでわたしはもう胸がいっぱいになってしまう。