極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

「はー、ようやくひと段落って感じだね」
荷物がそろうと、やっぱりホッとする。

「そうだな」

時刻は午後3時を回っている。

「夕飯用のお買い物に行きたいな」

「付き合うよ」

「彬良くんなにか食べたいものってある?」

すこし視線を宙に向けて、「ツナのコロッケ」とつぶやいた。

「えっ、あれ?」
お肉の代わりにツナを使う、うちのお母さんのレパートリーのひとつだ。もちろんお財布にも優しい。

「ひき肉より口当たりがいいんだよな。よそじゃ食べられないから、懐かしくなって」

「うん、わかった」

彬良くんと連れ立って近所のスーパーに向かう。
彼がカートを押して、わたしが選んだ食材を入れてゆく。

・・・なんか、新婚カップルみたい。
思わずそんな想像をしてしまって、ちょっぴり顔が熱くなる。

買ったものをふたつのビニール袋に詰めてもらって、重いほうを彼が軽いほうをわたしが持って、一緒に歩く。
それだけでまるでデートみたいに胸がときめく。