極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

「え、理沙子さんて料理しないの?」
けっこう家に人を招いたりするって聞いたけどな。

「自分でも認める料理嫌いの料理下手だよ。仕事持ってても、他の家事はちゃんとやるんだけどね。
ローストビーフとかアクアパッツァとか、見栄えのする料理だけいくつかマスターして、人を呼ぶときはそれで切り抜けてる。
ふだんはそよかのお母さんに世話になったり、お手伝いさんとか、スーパーのお惣菜とか、そんなのに頼ってたな」

うーん、あの才色兼備の理沙子さんでも苦手なことがあるんだ。ちょっとだけ親近感がわくなあ。

「あっちの料亭、こっちのビストロって、家族で外食はよくしたな。おかげで少しは舌が肥えたし、テーブルマナーとかも身についたけど」

「わたしそんなすごい料理作れないよ」

「オシャレな料理が食べたかったらレストラン行けばいいんだから、気負わずに作りたいもの作ってよ」

「うん、わかった」
少し気が楽になる。