わたしは恋をしている。相手は自分の恋人で、そして彼と一緒に暮らしている。
そのことがまるで、奇跡みたいに思えて。
また眠りが浅いまま朝をむかえた。
その朝の食卓は、昨日よりにぎやかだった。
「昨日ニンジンとツナのサラダ作ったんだけど、よかったら食べる?」
「うんもらう」
「卵と牛乳うちから持ってきたんだ。賞味期限があんまりないから、スクランブルエッグにしていい?」
「お、ありがと」
トーストとコーヒーに、サラダとスクランブルエッグを添えて、ふたりでテーブルを囲む。わたしはコーヒーに牛乳を入れてカフェオレにした。
「こんな栄養バランスのいい朝食って、久しぶりだな」
「間に合わせでごめんね」
「そんなことないよ、うんうまい」
サラダを口にして、そう言ってくれる。
透明な朝の光のなかで見る彬良くんの姿は、端正さが際立って、美しいと、そんな感想まで浮かんだ。
しみじみと胸が満たされてゆく。
そのことがまるで、奇跡みたいに思えて。
また眠りが浅いまま朝をむかえた。
その朝の食卓は、昨日よりにぎやかだった。
「昨日ニンジンとツナのサラダ作ったんだけど、よかったら食べる?」
「うんもらう」
「卵と牛乳うちから持ってきたんだ。賞味期限があんまりないから、スクランブルエッグにしていい?」
「お、ありがと」
トーストとコーヒーに、サラダとスクランブルエッグを添えて、ふたりでテーブルを囲む。わたしはコーヒーに牛乳を入れてカフェオレにした。
「こんな栄養バランスのいい朝食って、久しぶりだな」
「間に合わせでごめんね」
「そんなことないよ、うんうまい」
サラダを口にして、そう言ってくれる。
透明な朝の光のなかで見る彬良くんの姿は、端正さが際立って、美しいと、そんな感想まで浮かんだ。
しみじみと胸が満たされてゆく。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)