「震えないでよ」
あやすような声。
「ふ、震えてないもん」
言い訳してる子どもみたいだ。
「言っただろ、嫌がることはしたくないって」
うー、子ども扱いされてる・・・ちょっぴり悔しい。ぎゅっと、彼のシャツの胸元を握る。
あごをやさしくすくわれて、唇をふさがれた。このあいだよりも大胆で、そしてかすかにアルコールの香りがするキスだった。
自らを遠ざけるように、彼がわたしから体を離す。
「———もう部屋に戻ったほうがいい。これ以上そばにいると、俺ほんとに我慢できなくなるから」
こくんとうなずいて、彼に背を向けて寝室に入り、パタンとドアを閉じる。
そのままドアにかるく背をあずける。
どうしよう。胸の鼓動がおさまらない。ぎゅっと両腕で体を抱く。欲しいのは自分の腕なんかじゃないのに。
わたし、期待している。彬良くんに追いかけてきて欲しいって願っている。
———彬良くんに恋してるんだ。
あやすような声。
「ふ、震えてないもん」
言い訳してる子どもみたいだ。
「言っただろ、嫌がることはしたくないって」
うー、子ども扱いされてる・・・ちょっぴり悔しい。ぎゅっと、彼のシャツの胸元を握る。
あごをやさしくすくわれて、唇をふさがれた。このあいだよりも大胆で、そしてかすかにアルコールの香りがするキスだった。
自らを遠ざけるように、彼がわたしから体を離す。
「———もう部屋に戻ったほうがいい。これ以上そばにいると、俺ほんとに我慢できなくなるから」
こくんとうなずいて、彼に背を向けて寝室に入り、パタンとドアを閉じる。
そのままドアにかるく背をあずける。
どうしよう。胸の鼓動がおさまらない。ぎゅっと両腕で体を抱く。欲しいのは自分の腕なんかじゃないのに。
わたし、期待している。彬良くんに追いかけてきて欲しいって願っている。
———彬良くんに恋してるんだ。



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)