・・か、・・そよか・・
呼ぶ声と、かるく肩に触れられる刺激で、ぱちりと目が開いた。目の前にこちらをのぞきこむ彬良くんの顔。
わたしの膝の上には、だらしなく開きっぱなしの雑誌。
いつの間にかソファで眠ってしまって、彼が帰ってきたことにも気がつかなかった。
「ご、ごめん彬良くん、つい寝ちゃって。あの、おかえりなさい」
壁の時計に目をやると、11時を回っていた。
「昨日色々あったから疲れが出たんだろ、ソファじゃなくて部屋で休みなよ」
「う、ん。ありがとう」
目をこすりながら雑誌を手に立ち上がる。
ごめんね彬良くんは遅くまで仕事だったのに、ともごもご口にする。
夜食が必要なわけじゃないし、わたしがしてあげられることはなさそうだ。
そよか、と彼の声。
顔を上げるより先に、腕にかかえている雑誌ごと抱きすくめられた。
「あっ彬良くん!?」
「その格好とかそういう仕草とか、反則だろ」
「反則?」
なんのこと?
「素顔でパジャマ姿でうたた寝とか、無防備すぎる」
えっ! そうなの?
「襲わなかった自分を褒めたい」
低めた声でささやかれて、どう答えればいいか分からない。
彬良くん、わたしまだ心の準備が・・・
呼ぶ声と、かるく肩に触れられる刺激で、ぱちりと目が開いた。目の前にこちらをのぞきこむ彬良くんの顔。
わたしの膝の上には、だらしなく開きっぱなしの雑誌。
いつの間にかソファで眠ってしまって、彼が帰ってきたことにも気がつかなかった。
「ご、ごめん彬良くん、つい寝ちゃって。あの、おかえりなさい」
壁の時計に目をやると、11時を回っていた。
「昨日色々あったから疲れが出たんだろ、ソファじゃなくて部屋で休みなよ」
「う、ん。ありがとう」
目をこすりながら雑誌を手に立ち上がる。
ごめんね彬良くんは遅くまで仕事だったのに、ともごもご口にする。
夜食が必要なわけじゃないし、わたしがしてあげられることはなさそうだ。
そよか、と彼の声。
顔を上げるより先に、腕にかかえている雑誌ごと抱きすくめられた。
「あっ彬良くん!?」
「その格好とかそういう仕草とか、反則だろ」
「反則?」
なんのこと?
「素顔でパジャマ姿でうたた寝とか、無防備すぎる」
えっ! そうなの?
「襲わなかった自分を褒めたい」
低めた声でささやかれて、どう答えればいいか分からない。
彬良くん、わたしまだ心の準備が・・・



![he said , she said[完結編]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1737557-thumb.jpg?t=20250401005900)