極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

「少しはカッコつけさせてよ」

「彬良くんなら、ファミレスでもファーストフードでも、十分かっこいいと思うけどな」

思ったことをそのまま口にすると、彬良くんの横顔に複雑な表情が浮かんだ。
眉を寄せて、口元を無理に引きしめるみたいにゆがめる。

そよか、と前に視線を向けたままつぶやいた。
「いつのまにか、男を転がせるようになったんだな」

「こ、ころがっ!? なんでっ」

「意識してないなら、余計にタチが悪いな」
ちらりとこちらに視線をよこす。

「できればいつも俺のそばに置いときたい。そよかの全てを俺のものにしたい。そうすれば、少しは安心できるのかな」

「あ、彬良くん・・・」
いきなりなにを言い出すの!?

「男なもんでね、俺は」

彼の言葉の意味するところを聞いてみたいような、でも聞いてしまったらもう後戻りはできないような気がして、結局黙りこむ。

この場でハンドルを握っているのは彼で、どこへゆくのかは彼次第だ。