極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

「初めてEurekaに行ったのも、彬良くんとだったね」
ふと思い出して、口にしてみた。

「そうだったな」
なにかを懐かしむように、少し笑う。

ファッション雑誌で知って、憧れのセレクトショップだったEureka。
渋谷や新宿にショップがあると知って、わたしは彬良くんにお願いした。たしか大学一年生で、ようやく化粧を覚えたころだったと思う。
「ねえねえ、今度Eurekaっていうお店に行きたいの」

彬良くんはすぐに連れていってくれたっけ。

初めて足を踏み入れたEureka。「流行」「洗練」「センスがいい」、そんな言葉を体現しているみたいな店内と店員さんたちに圧倒されてしまって。
服に手を触れることもはばかられて、隣の彬良くんに隠れるようにぴったりくっついていた。一生懸命おしゃれして、財布にはアルバイト代も入れてきたけれど、自分がずいぶんと場違いに感じられた。

「せっかく来たんだから、ちょっと見ていけば?」

「まだちょっと早いかも・・・やっぱり高いし」
彬良くんにうながされても、そんなことをもごもごつぶやく。

彬良くんはいつもと変わらず落ち着いていて。Eurekaのメンズラインの服を着こなせそうだな、ってちょっぴり羨ましくなったり。