ふたりで一つになれる心地よさ。肌の境目がわからなくなるくらいぴったりと密着して、互いを求め合う。
溶けあって離れなくなってしまったのではないかと感じるほどの、熱い交わり。
身も心も彼に満たされて、あまりの幸せに、瞳からは熱い雫がわきあがってこぼれた。

愛おしい。全身全霊で彬良くんのことが愛おしい。
彼のためなら何でもできる、何を失ってもかまわないと、そう思う。
ならばわたしは———・・・自分の内に一つの萌芽が生まれてゆく。その種はきっと彬良くんが蒔いてくれて、そして彼の愛情を水と養分のように浴びて芽生えた。

きっとこれから根をはって、そしてわたしの軸として育ってゆく確かな芽だ。
揺るぎない決意を抱いて、わたしは彼の腕の中で意識を手放した。