極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

食事を終えて、レストランを出たところで彬良くんがわたしの手を握ってささやいた。
「この後どうする?」

「この後・・って」

「ここに泊まってもいいし、家に戻ってもいいし」

どちらも魅力的な二択だった。
「彬良くんといられたら、わたしはどっちでもいいんだけど」
それだけは間違いない。
「今日はうちに帰ったほうがいいかな。明日仕事だし」

「それもそうだな」
彼が柔らかく笑んで、その唇の端をついと上げる。
「でも今夜はあまり寝かせてあげられないけど」

「あ、彬良くん・・」
ちょっと周りを見回してしまう。

「さっき助けたお礼ってことで」

「も、もう、早く帰ろうよ〜」
焦って彼の手を引いて歩き出す。

「待ちきれないの? そよか」

「彬良くんの意地悪っ」
ほてる頬をふくらませる。

「そうですよ。知っての通り」

そうだ、これが彬良くんだ。
ちょっぴり意地悪で、呆れるほど頭が良くて、いつもわたしを守って甘やかしてくれる、わたしの恋人。