極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました

わたしの問いかけに、ちょっと気まずそうに髪をかきあげる。
「さっき本人にも言ったけど、まああのせこい性格から、女を口説くのも経費を使える店だろうと。そのまま部屋に連れ込めるようにホテルで、自分の立場を誇示できる夜景付きで、って消去法で絞りこめば、残るのはここだけだ。それから俺のスケジュールに嘘の出張の予定を入れて、お膳立てをした。鬼の居ぬ間に姫を狙ってコソ泥が来るだろうと踏んだんだ」

三崎さんの企み深さは怖いほどだったけど、結局彼も彬良くんの手の上で踊らされてたということなのか。

「三崎さんは会計していったけど。客が急に食べずに帰ったり、別のテーブルに移ったりしたから、ちょっと店の人を混乱させちゃったな」

「う、ん・・」

「お詫びに高いワインでも頼むさ」
彬良くんがウエイターを呼び止める。

「仕切り直して乾杯しよう」

「うん」
気づけばすっかりお腹がすいてきた。三崎さんから彬良くん。まさに地獄から天国。
夜景を背にした窓ガラスには、幸福そうなわたしの表情が映されていた。