「青ってさあ、美心ちゃん好きだよな。


見てて分かるけど、一緒にいてなんもしない、とかあり得ないわ」






「あのさ、廉の気持ちのが分からない。


好きだから、出来ないもんじゃないの?


自分が、した行為で相手が傷ついても廉はそれ以上できるわけ?」



「つまり、俺が女にキスしたりして嫌がられたりした場合……続き出来るかってこと?


はは、嫌がるとかあるわけないし」



自信満々な俺に、青はため息を吐いた。


そして、軽く睨み付けてくる。



なんだよ。



「あのさ、廉。



それは廉を好きな俺らの嫌いな女達の場合。


なら、美心なら?



ベタベタしてこない、猫なで声もしない美心なら?


本当、廉はよく分からないよ。


俺、もういくから」





「きゃーー!!!!!!」







!!!!!



女の叫び声に、ハッ、とした。



美心ちゃん?


今、美心ちゃんは、一人だ。



俺と青は、視線を合わせ駆け出した。