「きゃっ!!!」


美心ちゃんの体を抱き締めて、離さない田崎がいた。


「俺は、ずっと美心ちゃんが好きだったんだぞ。


美心ちゃんのーーーー!!!その痕。


俺の美心ちゃんが、俺の美心ちゃんがー」

狂ったように泣く田崎を一瞬哀れに思った。


美心ちゃんの首に着いた赤い痕。

目黒青のモノだと、気付いてハッ、とした。


嫌に目につく白い肌。


「いやぁ!!!」



あの時も、君は泣いてた。



「やめて!!!」



君はあの時もこうやって泣いてた。


過去は無かったことには出来ない。


だけど、緩和することは出来る。


「青くんーーーッッ」



君が、目黒青を呼ぶ声がした。