ガリガリと何かを引っ掻いた跡。壁の罅から零れた破片で示されたものだった。
「まあ、信じなくても良いけれど。暇ならば迎え撃っても良いんじゃないの、と思っただけ」
シーラも同じく腕と脚を組んだ。
「どうしてそれを俺に話した? お前は王族を嫌ってるんだろ。それなら窃盗は好都合だろう」
「ルイスだから話したのよ。私、あなたのこと気に入ってるって言ったでしょう」
好きだった猫に似ているから。
言外にそう言われているのが分かった。
ルイスは小さく溜息を吐く。ルイスが動いても動かなくても、その窃盗がこの城内に入れる可能性はほぼゼロに等しい。



