「お前さ、昨日の林檎食った?」
「え、う、うん」
「どうだった?」
「普通に美味しかったよ?」
じゃあ、やっぱり俺とは合わない。そう思いながら俺は仰向けになっていた身体を起こして前田を見る。
「ちょっと、ここにしゃがめ」
俺がそう言うと前田は「なんでよ」と不機嫌そうにしながらも指示したとおり腰を屈める。
その瞬間、俺は前田がかけていた眼鏡を取った。
「……え、ちょ、ちょっとっ……!」
さっきまで威勢がよかった前田は急に弱くなって、オロオロしはじめる。超がつくほどの真面目で欠点なんてないコイツの取り乱す姿。
「……返して、お願い」
……きゅん。
え、待て。今のはなんだ。
胸を押さえても変わったところはない。でも今の俺の疼くような反応は明らかにおかしかった。



