きみが青を手離すとき。






次の日。俺はまた屋上で授業をサボろうとしていた。

優雅に寝そべりながら、流れていく雲を王様気分で眺める。目を瞑って、せっかく寝る準備に入ったというのに、バンッ!と邪魔するようにドアが勢いよく開いた。


「ちょっと広瀬!またロッカー壊したでしょ?」

やたらと耳に響く偉そうな声。

着崩していない制服に、膝丈のスカート。そしてトレードマークの眼鏡は復活していた。


「壊してねーよ、壊れたんだよ」

今朝、後ろにいたヤツがぶつかってきて、よろけた拍子に扉が歪んだ。

つか、うちのロッカーが脆すぎるんだよ。うん十年前からあるらしいし、小突いたり、よろけただけで壊れるロッカーが悪い。


「まったく、もう」

前田が呆れたようにため息をついた。

べつに怒られるのは俺だし、ロッカーが壊れようと前田には関係ないことなのに、なんでコイツはいちいち俺の前に現れるんだろうか。