立っていた一人は、僕と同じ歳ぐらいの女の子。

 光に輝くような金髪で、長めのショートヘア。ビーズみたいな色とりどりの飾りを髪に付けている。肌の沢山露出したノースリーブにショートパンツ。二の腕までかかる長さに、レースがびらびら付いた手袋をはめていた。足元は、機動の良さそうなブーツ。

 中でも目を引いたのは、髪と同じ色をした瞳。

 カラーコンタクトでもしてるのかと思ったけど、どうもそうでは無いみたいに見える。


 もう一人は、僕より少し歳上っぽい少年。

 短めのショートヘアは深い青色。染めてるんだろうか?

 均整の取れた体に、まるでアニメかゲームで見たような、騎士っぽい服装。ご丁寧に腰に剣までさしている。

 そして瞳はやはり髪と同じ色の深い青色。

 彼は鋭い目で僕をじっと睨んでいた。


 言葉は、通じるのかな。

 ああ、でもさっき日本語を話してた。


 僕は一体、何処に迷い込んでしまったんだろう?


「お~い、キミってば!」


 呆然としている僕に、女の子の方がまた声をかけてきた。


「大丈夫ー? キミ、意外と適応能力無いんだね」


 こんな訳の分からない状態で、すぐに適応出来る人間がいたら見てみたいよ!

 そう思ったけど、情けない事に言葉にする事は出来なかった。驚きの方が大きかったのだ。でも、学校の屋上から突然こんな所に来てしまって、混乱しない人なんていないと思う。


「なんかまだぼ~っとしてるみたいだけど、大丈夫? ともかく、自己紹介するね」


 女の子はそう言いながら明るく笑った。