優しい音を奏でて…


彼は、私にはもったいない位いい人で、どんなに忙しくても、毎日電話をしてくれて、毎週デートに連れて行ってくれた。

私は、ゆうくんへの想いはそのままに、山本くんとの穏やかな幸せに包まれていった。

そして、23歳の夏、このまま彼と平穏で幸せな毎日を積み重ねておばあちゃんになっていくのもいいかもしれないと思えたから、山本くんの誕生日、初めて彼と結ばれた。


それから、2年半が過ぎた25歳のお正月、初詣での帰りに、私は彼から指輪を渡された。

「俺と結婚してください。」

「………はい。」

左手の薬指にキラキラ輝くダイヤの指輪をはめてもらうと、それだけで幸せな気持ちなれた。

「今度、カナのご両親に挨拶に行こう。」

「うん。」