・・・・・む、むり。
あたし、むりだ。中島くんと付き合うの。
突然、ここから逃げ出したい衝動に駆られた。
ここから、今すぐ消えてしまいたい。
友達としては、好きだけど。
無理だ。
中島くんのことを恋愛的に好きになれる気がしない。
どうしよう、帰りたい。
考えすぎて疲れて力が抜けたとたんに
そういう気分になっちゃって。
なんか、よくわかんないけど、むり。
きっと、
あたしは、好きじゃない人と付き合って、
だんだん好きになれるタイプの人間じゃ、ないんだ。
無理、って思ってから
一気に今の状況に対する拒絶反応がでてきて。
手がどんどん汗ばんできて、さあっと頭から血の気が引いたようになった。
もっとよく考えれば良かった。
恋したことがなくて、
告白されたことも彼氏がいたこともなくて
そういうことに憧れすぎて、カンチガイしちゃってた。
中島くんのこと、実は好きかもとか思っちゃってた。
違う。
やっぱり中島くんのことは友達としか見れない。
それに、
あたし、
好きでもない人と付き合うと
とことん無理って思っちゃうみたいで。
好きじゃないから、その人と
"カップル"であること、"彼氏彼女"であること、
それと、"中島くんに好きって思われていること"が
嫌になっちゃって。
告白されたときはすごく嬉しかった。
でも今は違う。
中島くんが、あたしを好きっていうことが
すごく重く感じる。
重くあたしの心にのしかかる。
だってあたしは、
中島くんのこと、そういう対象として見れてないから。
ふたりの間の気持ちの重さが
違うことが嫌でもわかっちゃったから。
あたしがそんなことを考えているとは全く思っていない中島くんは、
あたしの手の上に自分の手を重ねて、
それから、
手を繋いできた。
や、やだっ。
そう思った瞬間、ぱっとあたしは手を離してしまった。
うわ、どうしよう、やっちゃった。
慌てて中島くんを見ると
少し傷ついた顔をしていた。
「ご、ごめん、慣れて、なくて。」
必死の、言い訳。
やっぱり付き合うのムリだったとかこのタイミングで言えない。
「そうか。
少しずつ、な。」
中島くんは安心したように笑った。
「う、うん。」
ごめん、ほんとにごめん・・・!!!!!!!!
中島くん、ほんとにごめんなさい。
あたし、最低なことをした。



