桜庭朋美と三鷹裕也が別れた。
世紀の美男美女カップルの破局は、瞬く間に学校中に知れ渡ることとなり、にわかに騒がしくなる。
すると、ここぞとばかりに三鷹くんにすり寄る女子で溢れ返り、いつも彼の周りには人だかりが。
中には見え透いた色目を使ったり、ストレートに告白するツワモノ女子も居たが、今のところ三鷹くんのお眼鏡に叶う相手はいない。
ていうか、居てもらっては困る。
2人が別れたのは、私のお陰だ。
私の寿命と引き換えに、下らないどうでもいいガチャを引き続けた結果、引き当てた究極の願い事。
彼の隣におさまる権利は、私に1番ある。
「元気出して。いつでも話きくから」
三鷹くんにそう言って励ました。
ここは、引くことにしたんだ。
相手が弱っているところを、ガシガシ責めるのは逆効果だと思ったから。
そばに寄り添い、相談に乗り、いつしかお互いを意識する__なんてドラマのような、それでいて自然な流れが良いと思った。
別れが不自然だったから尚更のこと、そういった流れは大切にしたい。
その私の判断が、裏目に出ることになる。
それはある日。
美奈から聞いた衝撃的な話だった。
耳を疑ったんだ__。



