165cm、58kg。
もう少し体重を減らしてもいいが、かなり理想的な体型になった。
腰がくびれ、摘(つま)める脂肪すらもうない。
背が伸びたこともあり、体全体の均等も取れている。
顔の小ささが目立ち、誰の目を惹きつけても不思議じゃない。
つまり私は__とても可愛い。
そうなると相乗効果で、細かいオシャレにも気をつけるようになった。
髪型を工夫したり、カラコンを入れたり、制服をイジってみたり、着飾ることが反映されるのが何より嬉しい。
学校に向かう。
いつもとなんだか景色が違うのは、目線が高くなったからだ。
少し身長が伸びるだけで、こうも見える景色が違ってくるなんて。
どこか清々しい気分で、教室に入る。
柴田さんに向かって軽く上げた手を、私は引っ込めた。
柴田さんが私を見る目に【敵意】が含まれていたからだ。
私はまた1つ、階段を上った。
でも、この上は__?
もう頂上しかないんじゃないのか?
その【てっぺん】のほうを見やると、ばっちりと桜庭さんと目が合った。
桜庭さんがにっこりと笑う。
私に向かって__。



