【葉月渚】と名づけた私が、セーラー服を着ている。


いつものトップ画面だが、最初の頃より数段、細くなっていた。


目もぱっちりしている。


にこやかに学校生活を送る、私のマスコット。


これの一体、どこが願い事なのだろう?


不思議に思いつつ、人差し指で触れて見る。


私が触れたのは、鼻の辺りだった。


すると。


【鼻を高くする】【3年】


「うそっ‼︎」


思わず大きな声を出してしまい、井沢さんたちが振り返る。


「ご、ごめん‼︎ちょっと急用ができたから帰るね」


そそくさと、その場をあとにした。


これ以上の急用があるわけがない。


家に帰るのももどかしく、モールの個室トイレに飛び込む。


画面を見ると【私】は、漂うようにそこにいた。


今度は口元に触れてみる。


【唇を厚くする】【2年】


「やっぱり、間違いない」


私は確信した。


自由に選べるようになっている。


その脇には【体重】と【身長】のプロフィールが表記されており、これもまた自由にスクロールできるようになっていた。


ということは__身長も高くできるんだ。


好きなキャラをカスタマイズするように、私も変身させることができるということ。


「やった、これでもっと綺麗になれる」


叫び出したい思いだ。


歓喜の叫びを。