けれど、あれから願い事は更新されていない。


体重が合計で11kg、二重瞼と合わせて、寿命を【14年】浪費した。


まさか、もう寿命が尽きたわけじゃないわよね?


まだまだ綺麗になるには足りない。


もっともっと綺麗になって、カーストのてっぺんまで登りつめたい。


それでこそ華やかなスクールライフじゃないか?


井沢さんたちとモールで遊んでいても、どこかに物足りなさを感じ、暇を見つけてはアプリを開いていた。


その時、スマホが震えた。


もしかしたら?


はやる気持ちを抑え、祈るように画面を見る。


【新しい願い事が追加されました】


どうやら、祈りが通じたようだ。


なんだっていい。


どんな願い事だって、すぐに叶える。


今度はなんだ?


鼻か?


口元か?


もう少し痩せたいし、背丈も欲しいところだ。


願いは尽きない。


それを一個ずつなんて、かったるい。


すぐにでも全部、叶えたいけれど、それは無理な話。


ここは1つずつ叶えていくしかないか。


指先を動かし、新しい夢の扉を開く。


しかし。


これまでのどの願い事とも、異なっていた。


そこに待っていたのは【私】だったから。