翌朝、目が覚めるとベッドから飛び起きた。
体重を計る。
半信半疑でもあった。
自分にダイレクトに影響がある願い事は、これまでなかったからだ。
全ては偶然が積み重なったと言えないこともない。
でも、昨日は食べて食べて食べまくった。
1kg増えていたとしても、なんら不思議はないが__。
「減ってる」
寝る前に測った時より、きっかり【1kg】減っていた。
ということは私の寿命も【1年】減ったということ。
1年で1kgを買ったことになるが、寿命は目に見えない。
ピンとこないわけで__。
それより体重が減ったことの喜びのほうが大きい。
「おはよう、桃子‼︎」
「なによ、テンション高い。良いことあったの?」
「なんだと思う?」
くびれてもいない腰に手を当てて、どうだ‼︎と言わんばかりにアピールしてみたが。
「お腹がいっぱいとか?」
「なによそれ。違うわよ‼︎もういい‼︎」
プイと顔を背けて席についた。
たかだか1kgだ。
目に見えては分からない。そもそも私は80kgある。
その後も、誰にも変化を気づかれることはなかった。
仕方ないか。
もっと痩せたいけど、こればっかりは__。
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