あなたの命、課金しますか?



「なんだ、こんなところに居たのかよ?」


三鷹裕也は【理科室】にやってきた。


私と南くんの思い出の場所であり、私と裕也の最後の思い出となる場所に。


「大事な話ってなんだよ?」


「それは__」


言葉に詰まる。


呼び出すことに精一杯で、それ以上のことを考えていなかった。


私の頭には、裕也をアプリに登録して、寿命を奪うことしかなかったからだ。


なにも殺して奪う必要はない。


放っておいても、裕也は消える。


それが事故なのか殺害されるのか、跡形もなく消え去るのかは分からないが、消えることは確かだ。


それも私が、自分の寿命を20年使って消すんだ。


消える前に登録すれば、寿命がそっくりそのまま戻ってくるはず。


とにかく、まずは写真を撮らないと__。


「あの、写真を撮りたいと思って」


ここは変に小細工せず、ストレートに頼んだほうがいい。


「写真?」


「私、絵を描いてたじゃない?だから裕也にも絵をプレゼントしようと思って。それには写真がいるでしょ?」


淀みなく言いながら、名案だと思った。


これなら裕也も疑わないはず。


「なら描けよ」


「えっ?」


「ここに描き終わるまで居てやるから」


「いや、でもそれは__」


「なんだ?どうしてもスマホで撮らないといけないワケでもあるのか?」