【渚、どうしたの?大丈夫?】
【渚、どこにいるんだ?】
桃子と裕也からのメールを無視し、私は1人、スマホを睨みつけていた。
【03:22】
私の命はあと、3時間と22分。
授業に出る気にもなれず、かといって帰るわけにもいかない。
私が生き残る術は、この学校にあるのだから。
【渚、みんなも心配してるよ?具合でも悪いの?】
桃子からのメールが立て続けに送られてくる。
本当に私のことを心配してくれているのが、文面からも伝わってくる。
裕也も、初めこそ気遣う文章だったが、少しずつ苛立ちが現れ始めた。
【なにやってんの?俺に連絡もしないで】
【男と一緒じゃないだろうな?】
【マジで殺すよ?】
メールだけじゃなく、何度も何度も電話が鳴ったがそれも無視する。
裕也は放っておけばいい。
願い事は聞き入れられたはず。
あとは【いつ】執行されるか、だ。今日中なのは間違いない。今日1日、裕也から身を隠せば、あいつは消える。
今、1番の問題は、私がその今日1日を生きて越せないということだ。
たとえ桃子でも、私を救うことはできない。
だって桃子はアプリに【登録】していないから。



