私がブスになって、裕也の態度が変わった。
粘り気のある【愛】は変わらずだが、以前ほどには縛り付けることもせず、穏やかだったんだ。
それは多分、私に言い寄ってくる男子がいないから。
ブスには見向きもしないことが、裕也に気持ちの余裕を与えたのか、暴力を振るわれることもなかった。
それが今は__。
「バスの運転手に媚びてんじゃねーよ‼︎」
「さっき、あの担任と笑ってなかった?」
「お前が見ていい男は、俺だけ。俺以外みるな」
束縛が厳しくなった。
言葉の鎖が重くなり、ぎしぎしと音を立てて私の体を締めつけていく。
少しでも逆らおうものなら、すぐに手が飛んでくる。
機嫌が悪いと、足だ。
だから私は、裕也を怒らせないよう怒らせないよう、周りの男子をシャットダウンしていた。
そう、女子ならいいはず。
極度に嫉妬深いのは、私が他の男子と関わるからであって、それが桃子なら問題ない。
常に桃子と行動を共にし、裕也との間のクッションになってもらっていた。
これなら裕也も文句が__?
「最近、なんであいつと一緒にいんの?」
「なんでって、友達だから」
「俺より友達が大事?この俺より?」
「そんなこと__」
私が返答に困っていると、裕也が言った。



