軽快なユーロビートに乗せて、ステップを踏みながら踊る。
難しい手の動きも、練習の甲斐があってか桃子もついていけていた。
ミラーボールのような照明が忙しなく舞台を照らし、体育館のボルテージも上がっていく。
ひょっとしたら、桃子の衣装だけ小さくてお腹の贅肉が目立つんじゃないか?
ひょっとしたら、桃子だけ違う振り付けを覚えさせられているんじゃないか?
ひょっとしたら、舞台上で桃子を突き飛ばすんじゃないか?
なんていう懸念は、どうやら思い過ごしだったよう。
一糸乱れず踊る麻里恵たちに、私たち観客も強く引き込まれていった。
何度かフォーメーションを入れ替えながら、シルバーの煌びやかなワンピース姿で踊る桃子。
その表情はとても自信に満ちていて【ブス】なんかじゃない。
桃子は心も綺麗だ。
ついさっきまで、麻里恵のことを疑っていた私なんかとは大違い。
ああやって、アプリを使うことなく人の輪を広げていく。
私も疑ぐるばかりじゃなく、信じてみないとな__。
ちょうど桃子が真ん中に来たタイミングで、私は大きく手を振った。
踊るのに忙しい桃子は微笑んだだけだが、どうやら伝わったようだ。
私の、信じる気持ちも。
その時、照明が中央の桃子を捉える。



