文化祭のメインイベントは体育館で行われる。
頑張った踊りの成果を私にも見て欲しいと、桃子ははしゃいでいた。
良からぬ魂胆があるんじゃないか?と、ずっと疑っていた私も、弾けんばかりの友人の笑顔に戸惑う。
取り越し苦労なのか?
柴田麻里恵が改心したとは、とても思えないが__。
そんな時、桃子は私に言った。
「疑うことは簡単だけれど、信じてみようと思うの」
確か、以前にも聞いたセリフだ。
あれは私が綺麗だった頃。
裕也のことで悩んでいた私は、桃子に悩みを打ち明けた。
「信じることが大切」と、教えてくれたではないか。
それでもし裏切られることがあっても、それは仕方がないこと。
まずは信じる気持ちが大事。
桃子はそういう性格だ。
だから私は、好きなのかもしれない。
せっかく桃子が一生懸命に頑張って、振り付けを覚えたんだ。
ここは応援しなきゃ。
コピーバンドや、エアギター、アニソンなんかのバンドが一通りの終わり、いよいよ桃子たちの出番が近づいてきた。
色鮮やかな照明が、ステージを照らす。
そこに麻里恵たちギャルが登場する。
私は後ろのほうの桃子に手を振ると、それに気づいた桃子が、笑顔で振り返してきた。
なんだか私まで嬉しくなってくる。
いよいよ【パラパラ】が始まった。



