慌ててベッドに潜り込む。
タオルケットを頭からほっかむり、震える手でスマホを開いた。
もしかしたら?
もしかしたら【寿命】が増えているんじゃないか?
マイページに飛び込み、カウントダウンの表記を見る。
【10日】
「増えてる__?」
でもたったの10日?
これだけのことをして、10日伸びただけなの?それじゃ、優衣は死んでいないということになる。
すぐにバタバタと廊下が騒がしくなった。
誰かがもう気づいたんだ。
ドアがノックされ、返事をしないうちに「優衣が大変なの‼︎」と美奈が入ってきた。
シャンパンに酔って階段を踏み外したと。
美奈と一緒に部屋を出る。
階段を駆け下りようとして、思わず立ち止まってしまった。
「渚?」
美奈が怪訝な顔をして振り返る。
階段の下のみんなも、私たちを見上げていた。倒れている優衣を取り囲んで。
私が突き落としたのだと、いくつもの視線に責め立てられているよう。
美奈に引っ張られて階段を降りるが、優衣は倒れたままで、しばらくしてやってきた救急車によって運ばれていった。
とりあえず朝になったら病院に行こうということになり、それぞれが部屋に戻って休むことなったが、とてもじゃないが眠れない。
どうしよう。
このままじゃ__。



