__えっ⁉︎


ハッと目を覚ました。


まさか私、寝てた?こんな時に⁉︎


スマホの画面が、もう真夜中を示していた。


一体、私に残された時間はあとどれくらいだろう?


何気なくマイページを見ていると、これまでなかった表示が名前の下に出ている。


【2:12】


なんだこれは?


時間?


いや、時間は今、夜中の3時半だ。


その時、表示が変わった。


【2:11】


減ったんだ。


時刻のように増えるんじゃなく、減った。


これってもしかして__?


「寿命?」


私の命はあと、2時間と11分?いや。


【2:10】


また減った。


これは残りの寿命が表示されて、カウントダウンされているんだ。


もう2時間あまりしかない。


どうしよう。


どうしたらいい?


誰かを、誰かから奪い取らないと。


私は死んでしまう‼︎


叫びたい気持ちを抑えたのは、廊下から声が聞こえてきたからだ。


そっとドアを開けて、廊下を覗く。


ちょうど、優衣が出てきたところだ。


三鷹くんの部屋から。


軽やかにスキップしながら、私の部屋の前を通り過ぎる。


私が、底なし沼にはまっているというのに。


「覗き見の趣味あるんだ?」


目ざとく私を見つけた優衣は、薄っすら笑った。


それはまさに、完全なる勝者の微笑み。


「裕也のこと、好きなんでしょ?」