それからもバーベQをしたり、ゲームをしたりでみんなら盛り上がっていたが、私は1人、蚊帳の外。
だってもう、秒単位で【死】に向かっているのだ。
かといって、どうすることもできない。
笑い合う友人たちが、この時ばかりは恨めしい。
相談するわけにはいかない。
実は私が【課命】でここまでのし上がってきた、カースト最下層だったと知られるわけにはいかないからだ。
悩み事を真に相談できるほど、朋美たちと仲が良いわけでもない。
階級を駆け上がってみて気づいたことだが、その仲は希薄だ。一見、高いもの同士の絆で結ばれているようで、叩けばすぐに壊れるくらい、脆い。
うわべだけで繕っているだけだ。
「これ、良かったら飲まない?」
そう言って微笑みながら優衣が掲げるのは、シャンパンだ。
みんな一気にテンションが上がる。
私もシャンパングラスを手に、乾杯に参加するも、その味はただ苦いだけ。それより考え疲れたからか、変に酔いが回って、2階の部屋に引っ込んだ。
どうしよう。
誰かから寿命を奪い取らないと、私は__。
スマホを手に、アプリを開く。
なにかの間違いじゃないか?と【体重1kg増やす】をクリックしてみたが、同じだ。
やっぱり私は死ぬ。
それもあと少しで。



