クリスマスが近づいてきて、亮太の顔の緩みは目も当てられないほどになっていた。 「ジングルベールっ、ジングルベールっっ」 休み時間にはクリスマスソングをバカみたいにうたっていて。 俺は浮かれる亮太を無視して、雑誌をパラパラとめくる。 紗枝と交換した、亮太には内緒の携番。 あの日以来、紗枝からの連絡はまったくない。 当たり前だと頭では分かっているのに、以前と比べると携帯を見る回数が増えたことに気づく。