「大丈夫。毒なんか入っていないから。入っているのは愛情~」 紗枝はにこりと無邪気に笑った。 その笑顔につられて、俺の顔もついほころぶ。 「ありがとう。亮太の代わりにいただきます!」 「あっ、ねぇ……」 なにか思い浮かんだように、紗枝がバッグの中から携帯を取り出した。 「お弁当の感想聞かせて? 卵焼きの味とか、彩りとか……」 「……なんで?」 聞き返す俺を前に、紗枝は自分の携帯を指で操作しながら言葉を続けた。