ベージュと白のチェックのハンカチに包まれた弁当箱。 それを見せながら、紗枝は口を尖らせた。 「亮太の分も食べればいいじゃん」 俺が言うと、紗枝はハッとしたような顔をした。 「直樹くん、食べてよ!」 「……えっ……、俺が?」 「うん。あたし、二人分のお弁当なんて食べられないし。直樹くん、楽勝でしょ?」 「そりゃあ、まぁ……」 戸惑う俺に、紗枝は亮太のために作った弁当を無理やり押し付けた。