――紗枝にはじめて出会ったのは、朝のバス停だった。



七時五分。わらび野駅行き。
いつも通学に使っている路線バス。



この路線バスを使っているのは、ほとんどが高校生だった。



俺と同じ高校のやつ。

隣町の女子高に通う女の子たち。

わらびの駅から地下鉄を乗り継ぎ、少し離れた有名進学校に通う優等生。




紗枝は、隣町の女子高の制服を着ていた。