――ねぇ、紗枝。 君は見てくれているかな。 「……では、ボーカルの直樹さんに最新シングルの紹介をしてもらいましょう」 誰にも言うことのできなかった、紗枝への秘めた気持ち。 吐露するかのように、俺は、紗枝への気持ちを唄にする。 「はい。では、来月四日に発売されるニューシングル、聴いてください」 この唄が、俺の気持ちが、紗枝に届きますように――。 「――【君に会いたくて】」 ――FiN――