「……うん」 亜紀ちゃんは俺を見ることもせず、こくりと頷いた。 それから、なにを話していいのか分からなくて。 俺も亜紀ちゃんも、足元にある白い花だけを見ていた。 「……直樹くんは知っていたんでしょう?」 「………?」 突然、亜紀ちゃんが切り出してきた。 それまでうつむいていた亜紀ちゃんは、顔をスッとあげ、きょとんとする俺をまっすぐに見る。