翌朝――。 いつもバスを一本遅らせていた、紗枝の親友・亜紀ちゃんがバス停にいた。 「おはよう」 沈んだ表情で、亜紀ちゃんは俺に声をかけてくる。 いつものバス停には、白い花が供えられていた。 誰が手向けたのかは分からない。 「大丈夫?」 手向けられた花をじっと見ている亜紀ちゃんの顔を覗きこむ。