誰のために作った弁当だったのか、とか。 『あたし、直樹くんが……』 あのとき紗枝は、俺になにを言おうとしていたのか、とか。 そんなことはどうでもよかった。 紗枝がいない。 それが現実――。 紗枝に会いたくて、走って行ったバス停。 紗枝のそばにいたくて、亮太と共にした帰り道のバス。 でももう、すべてが無意味なんだ。 君はもう、いなくなってしまったんだから――。