あの車がバス停に突っ込んだことは避けられない現実。 だけど、もし俺があのときバス停にいたら……。 紗枝を守れたかもしれない。 「…………」 ふと立ち上がって、机の引き出しを開ける。 引き出しの奥に、ひっそりと眠っている小さく折りたたまれたメモ。 【食べてくれてありがとう】 亮太のために作ってきた弁当の中に入っていたメモ。 いまとなっては……。