「……亮太くんに連絡したすぐあとに……」 お母さんは涙を堪えながら、唇を震わせながら話し始めた。 「………っ……!!」 亮太は声にならない叫びをあげて、眠っている紗枝の身体にすがりついた。 紗枝は、とても穏やかな顔をしていた。 かすかに微笑んでいるようにも見えたんだ……。 亮太は泣きながら、紗枝の名前を何度も呼ぶ。 俺は……。 大好きな人を失ってもなお、涙すら流すことができずにいたんだ。