すると社長をそれを見るなり驚いた
表情をしていた。

「はぁっ?お前……奨学金で大学を出たのか?
つまり貧乏人!?」

胸がグサッと刺さるようなことを言われる。

ガーン!!

確かにそうだけど
そんなハッキリと言わなくても……。

言い返せない自分が悔しい。

泣きたい気持ちになっていると社長は、
ため息を吐きながらその書類をデスクに置いた。

「朔夜の奴……どういうつもりだ?」

ボソッと不機嫌そうに社長が呟いた。

ビクッ!!

い、今……朔夜と言っただろうか?

香月朔夜(こうづき さくや)とは、
社長の双子の弟の名前だ。

そして、副社長。