もっと深く知る事が出来たら
何かが変わるんじゃあ……?

「萌ちゃん。どうしたの?」

「あ、いえ。何でもありません」

私は、笑って誤魔化した。
でも簡単にその事を口に出せなかった。

それは、つまり副社長に対して
深く関わらないといけなくなる。

それは、社長の彼女として
どうかと思ったからだ。

胸がズキッと痛んだ。
奥底は、またモヤモヤしていた。

その後。
お姉様は、派手に飲んでべろんべろんに
酔っぱらってしまった。

「しっかりして下さい……」

「萌ちゃん。もう一軒行こう」

いや、無理ですから……。

急いでタクシーに乗せて自宅に連れて帰る。
着くと社長が出迎えて下さった。

事前に電話をして知らせておいた。