エレベーターに乗り込んだ。
すると市原さんが社長に1枚の紙を渡してきた。

「社長。これを今朝、送られて来たのですが
どう処分なさいましょう?」

「……ほう。脅迫文か」

市原さんから紙を受け取ると社長は、
眉を寄せた。

えっ!?脅迫文!!?

私もその脅迫文の紙を覗くと
新聞や広告の切り抜きで文章が書かれてあった。

『こ・ん・ど・の・し・ん・せ・い・ひ・ん・も
ち・ゅ・う・し・し・ろ
さ・も・な・い・と・ひ・ど・い・め・に・あ・う・ぞ』

えっ!?
今度の新製品って……。

パクりの件は、副社長が
やっていると本人が自白した。

だとするとこれも副社長の仕業?

「随分と今度は、王道的な脅し方だな。
今時……広告の切り抜きとは……」

社長は、呆れたようにため息を吐いた。

「いかがなさいましょうか?」