月光 ~すべてのひとかけら~

「家の中が冷える。早く入れ」


先生に腕を引っ張られて、中に入ってしまった。


〝しまった〟と思ったときにはもう遅かった。


家の鍵をかけられ、リビングに連れていかれてしまった。


「せんせ─」


「だから見舞いなんかに来るなっつったんだよ」


冷たすぎるほど冷たい言葉と共に、腹部に痛みが走った。


意思に反して膝から崩れ落ちてしまう。


「せ…んせ…い…?」


何が起きたのか分からなかった。


「悠瞳は逃げたよ。俺から」


先生が私の胸ぐらを容赦なく掴む。