月光 ~すべてのひとかけら~

寒いし、若干苛立ちながら、もう一度インターホンを鳴らそうと指を伸ばしたとき、乱暴に玄関ドアが開いた。


「……え」


普通に同棲ですか。


ドアを開けたのは永蔵先生だった。


だけど…。


何かが違う……。


変…。


そうだ…。


目だ。


先生の目がおかしい。


まるで─


「帰れ」


まるで…狂気…。