月光 ~すべてのひとかけら~

顧問の先生が産休に入ったことがキッカケだった。


〝産休のあとは育休も取るから、1年と少しはお休み。先生、あなたたちが部活してる姿みたいから、来年の夏まで引退しないで?応援してる〟


試合に負ければ即引退。


今年の3年生のように、6月で引退することだってあるんだ。


〝そんな…。じゃあ顧問は…?〟


ミーティングがあんなに重苦しい空気に包まれたのはあの時が最初で最後かもしれない。


それくらい皆、顧問の先生が大好きだった。


〝文芸部の顧問を務めてる永蔵先生にお願いしたら、快く引き受けてくださって。7月からは永蔵先生の私道の元、頑張ってね〟


永蔵先生が新しい顧問。


部員の顔は晴れやかになった。


〝その笑顔で部活頑張ってね。先生は赤ちゃんと一緒に応援してるわ〟


永蔵先生と聞いても、私は何の感情も沸かなかった。


ただ、面倒なことにならなきゃいいけど。


とは思った。