本当のお母さんに…?


「迎えに来てくれた形だった。けど、俺のことしか引き取れなかったんだとさ。金銭的な問題とか…色々考えたら……」


いいな…設楽さんは。


お母さんが向かえに来てくれて。


私はずっと、一人だよ……。


「俺、家出したきっかけがそれなんだよ。俺らを捨てた奴が引き取ってくれた優しい人間だと思うと嫌になって」


……。


「……俺、悠瞳に三つ子だってこと一生話すつもりなかった。忘れたいことだろ。施設のこととか。だから、ほじくり返したくなかった」


それで設楽さんは、最後の最後まで本当の事を言わずに私と叶翔さんの邪魔をしていたんだ……。


全部私のために……。


「…何とかして悠瞳と夏川を引き離したかったから、莉桜を使った」