─ピーンポーンピーンポーン


訪れたのは設楽さんの家。


椿さんに会ってから3日。


ようやく決心がついた。


設楽さんに会いに行く決心が。


「よー、悠瞳」


開けられた玄関の扉の向こうに見えたのは、女物の靴。


同じものを莉桜の家で見たことがある。


何で莉桜が設楽さんの家に…。


「入れよ。椿さんから聞いたんだろ」


あの日、椿さんから告げられたものは想像を絶するものだった。


涙が止まらないとか、そんなことを言ってる次元じゃなかった。